学校生活応援団!さくらやちくし店 学生服リユースでSDGsに取り組む西さん

やくらや 福岡ちくし店 代表 西さん

ホームページ https://www.seifuku-sakuraya.com/blog/fukuoka-chikushi/
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その他 2024年3月現在、実店舗はございません。お問い合わせはインスタからかメールアドレス(3908chikushi@gmail.com)宛にお願いいたします。

全国的に広がる学生服リユースはもうスタンダードな選択肢になっている

学生服リユースshopさくらやは、創業者の馬場加奈子さんが自分の子育て経験の中から2010年に生まれた事業で、香川県を第一号に今では日本全国で88店が展開されています。その全てが各地域でこの事業に共感する人たちで運営されており、福岡では九州糸島店、久留米店に続き、福岡ちくし店が、2024年にオープンしました。(対象エリアは、筑紫5市(那珂川市・春日市・大野城市・筑紫野市・太宰府市)福岡市※県立高第5学区が中心)

西さんはテレビでさくらやの事を知り、その活動に共感して事業へのチャレンジを決意され、夫婦二人三脚でスタートされたそうです。
「以前は、学校のバザー等を通して学生服のリユースがされていましたが、コロナ禍でその活動も休止してしまい、リユースされる機会も減っています。担い手もPTAなどボランティア頼りだったため、携わる人の代替わりなどで活動にも波ができてしまい、まだまだ綺麗な学生服がそれを欲しいと思っている後輩達に届いていない状況を事業として参画することで、責任を持って学生服のリユースモデルを定着させることができるのではないかと思っています。」
と、さくらやを始めた思いを語ってくれました。

事業として取り組む事で見えてきた地域のこと

本体のさくらやのホームページでは、学生服リユース事業の効果について公開されています。
①10年で市場規模が3.3億円に成長
②10年で捨てられるはずだった学生服198トンのリユースを達成

この様に、各地域や各校での取り組みでは可視化しにくかった経済や環境面での効果も分かり、さくらやの事業は『ウーマン・オブ・ザ・イヤー2017〔子育て家庭応援ビジネス賞〕』受賞をするなど、その事業と活動について社会的な評価を得る事にも繋がりました。これにより、学生服のリユースサイクルは世の中に広く知られることになり、リユースの学生服を選ぶことはSDGsへの認知の高まりもありエシカルな消費(私たち一人一人が、社会的な課題に気付き、日々のお買物を通して、その課題の解決のために、自分は何ができるのかを考えてみること)のひとつとなっています。

一方、リユース事業を始めたばかりの西さんは、地域に貢献する事業でもあるという観点から事業として活動する事で地域へ経済的に還元する仕組みも見えてきたそうです。
例えば、回収した制服のネーム刺繡を解く作業や、購入者への発送業務など短時間で済む小さな仕事が出てきています。これらは取り扱う数が増えてくると自分達だけでは間に合わなくなるため、将来的には働く場がなかなか見つかりにくい、小さい子の子育て中だけど社会との繋がりを求めているママさん等の雇用や、地域にある障害者就業支援施設への依頼などに繋げることで、仕事を通して地域経済に還元できる仕組みもできるのではないかと、リユース事業が地域の活性化や課題解決に役立つと考えられています。

さくらや公式サイトより

学生服回収事業は社会的な問題を浮き彫りにする

私たちの生活を彩る衣服を扱うファッション業界では近年、衣類の大量廃棄問題が話題となっており、その廃棄前提での大量生産・大量廃棄の手法を見直す動きも出てきています。日本人も平均して年間で約20着の衣服を捨てているというデータも示される一方で、SDGsの社会的な認知の高まりもあり、衣類のリサイクル・リユースをされる量は増えてきています。

この問題は学生服の業界でも同じで、ファッションのトレンドの変化に乗って、数年周期で制服のデザインを見直す学校もあります。これには、生徒数確保などの学校経営的な問題も絡みますが、「同じ格好をすることで学生同士での経済的な格差をなくす」という側面もある学生服の当初の役割からは今は目的が変化している表れなのかもしれません。しかし、デザインが変更になるということはリユースする流れも断ち切る事にも繋がります。新品の制服の購入を余儀なくされる経済的に余裕の無い世帯の存在や、消費者意識としてそもそも3年間しか使わない学生服は新品でなくても良いと思う人など、様々な価値観を持つ事が肯定される現代においては、時代にそぐわないという見方もできるかもしれません。
一方で、昨今の制服デザインの見直しではジェンダーレスや価値観の多様性を尊重したものに変わっている学校も多くあり、学生服のデザインが変わらないことが一概に良くないことだとは言えません。

※AIで作成したイメージです

慈善活動にも積極的に参加

さくらやちくし店では、慈善活動も盛んです。例えば、instagram(sakuraya_chikushi)では、まちがい探しの投稿に対する回答数や「いいね!」の数に応じて福岡こども病院へ寄付する企画を行ったり、寄付で集めた不要になったランドセルの無償譲渡会を行ったりと、”子ども”をキーワードに様々な取り組みをされています。

また、お店や学校などに設置した学生服回収BOXから集まった学生服で、リユースに向けて値段が付けられるものには、買取相当金額をこども家庭庁の『こどもの未来国民運動』を通して、こども食堂の運営など子育てに関する支援団体へ寄付しており、社会貢献への意識が強い活動をされています。

西さんは「この様な活動を通して、さくらやの事や制服のリユースについて知ってもらえれば嬉しいし、子育てに関する支援に繋がればいいな。」と活動についてお話しされていました。

ランドセル譲渡会の様子

【学生服の寄付受付中】

創業されたばかりのさくらやちくし店では、初めての卒業シーズンを迎え、現在は制服の回収に注力されています。
夏服・冬服問わず、ご不要になりましたら後輩にバトンタッチしませんか?

回収BOX設置場所は随時増えておりますので、設置場所・寄付方法などはページ上部に記載のホームページや、instagramよりご確認ください。
※販売の際には学生本人の確認(学生証や保険証など)をする等して、安心してお預け頂き、安心して後輩の方々へ学生服のバトンタッチができるようにしております。

対象エリア:筑紫5市(那珂川市・春日市・大野城市・筑紫野市・太宰府市)福岡市※県立高第5学区が中心
対象の制服:上記エリアにある幼稚園・保育園・中学校・高校の学生服

著者:上野 正貴